「chokomaka小屋番日記」

chokomaka

はじめに
8月下旬、仙人は、シーズン後半の食料・物資をヘリコプターで荷揚げをするために、調達・依頼・その他の打合わせ等のために下山する。その間の留守番として、「Tさん」と、小生に白羽の矢が当たった。 何気ない山小屋の日々の生活を「小屋番日記」として、紹介します。

平成25年8月26日(月) 晴れ 
 今日から、仙人温泉小屋の「小屋番」のため出発。19時12分発のJRに乗った。新宿について高速バスターミナルで予約しておいた高速バスのキップを購入! さあーーて!出発時間まで1時間半以上あるなッ!流石、新宿!ネオンが煌めき、溢れんばかりの人・人・人。
 雑踏の中を歩き、手ごろな店の階段を上がって暖簾をくぐる。入口にテーブル席、奥には座敷席がある、何処にでもあるような店である。そのカウンターに案内されると、会社員風の男性二人、手前に女性二人の二組が、既にメーターが上がって何やらペチャクチャやっている、その間に案内された。
早速、メニューを見て「秋刀魚の刺身」と「ホッピー」を注文した。もう!秋刀魚かッ!秋も近いなッ!ホッピーグラスを見つめているうちに、思い浮かぶ仙人谷の景色が琥珀色に変り、心は次第に山に飛んでいた。 
あれや・これや心躍らせ、何杯かお代りしているうちに、出発時刻が近付いたので、切り上げてバスターミナルに戻った。その後、暫くして車中の人となった。

平成25年8月27日(火) 晴れ 
 朝5:05、途中、高速道路のSAに二度立ち寄っただけで、立山・剣岳の玄関口となる扇沢駅に着いた。当然、其の時間帯は、売店など開いて居るはずが無いので、用意した缶ビールを水道水で冷やしているうちに身支度を済ませる。人は、疎らで、昨夜の新宿の喧騒が嘘のよう!適当なベンチに“MY宴会場“を設定して、夜から朝へ移ろう時間を楽しみつつ、プルトップをプシュッ!次に、ワンカップの蓋をパコンッ!パコンッ!パコンッ! コラッ!何杯呑むんだッ! 
 その間、時々相棒の「Tさん」からメールが入る。 
『今、何処を走行中』  『ここまで来ています。』    ウーームッ!もうすぐ扇沢に着くなッ! あっ!!駐車場はッ!   
即、市営駐車場へ行って見ると、既に満車!駐車場内を2回りしたが、空きスペースは無い、どうしよう!失敗した。 しかし、入口付近の駐車中の車の脇に、どうにかこうにか1台分確保できそうだ、ここなら他の車も出入り出来るし、大丈夫だッ!良かった! ホッ! 
間もなく、「Tさん」が来て、無事、扇沢から黒四ダム行きトロリーバスに乗ったのであった。 
 何時もの「雲切り新道」をスタコラ!スタコラ!登ること2時間ちょっとで、「小屋のぞき」、そこで、合図のホイッスルを  ピイイィーーーッ! 
仙人が小屋から出て来て、タオル振る。 ヤッホーーーッ!! また来たゾォーーーッ!仙人温泉小屋へ!


平成25年8月28日(水) 晴れ、気温・朝:14℃
 ◇朝食を済ませた、仙人とスタッフの「Kコちゃん」が5:30頃出発! 
『仙人、いってらっしゃい!』 
『Kコちゃん、ご苦労様でした、また来てね!』と、見送る。
◇作業:早速、山小屋での仕事が待っていた。  
ムムッ!!温泉の湯量が少ないなッ!早速、源泉のダムに行って見ると、案の定、ダムが半壊していたので、ダム修復に取り掛かる。湯畑の底に溜まった土砂を掬ってはダムを盛り上げ補強する。なんと言っても、湯温80℃近い源泉での作業なので、暑い・暑い!!
補修作業が終わると、Tさんは、橋の橋脚部分の基礎が増水時流されないように、上流側に石を積み上げる作業へ、小生は、御神体上部の足場の悪いところへ、梯子設置へと別れた。梯子設置が終わって、小屋への帰路「マムシ」を捕獲してお土産とした。また小屋のペットが一匹出来た。
 小屋に戻ると、池の平から応援に駆けつけてくれていた「Kさん」が、湯船の清掃・布団干しをしていてくれた。ありがとう御座いました。!!感謝・感謝!!
今日のお客様は、「M様」父子の二人、なんと!その息子さんは、9歳(小学5年生)であった。 
【仙人温泉小屋 “最年少記録更新”】  
K郎君、頑張りました。!! 先月、(8/10)に、11歳の最年少記録が樹立されたばかりなのに、早くも記録更新となった。

マムちゃん】   ちょっと!ちいさい  かな?
【豆知識】山小屋では、“晴れ”は、貴重で「布団干し」は、
重要な仕事のひとつ、お客様にフカフカの布団で寝て頂き、
次の日、元気に出発出来るように心掛けています。
マタギK郎君 かっこいいぜェー!
【参 考】 上記の父子については、仙人温泉小屋のホームページの
「トピックス」と「ブログ」欄を参照して下さい。


平成25年8月29日(木) 晴れ、気温・朝:14℃ 昼:21℃ 
◇池の平小屋のKさんが、小屋に帰る日となる。エエーーーッ!もう、帰っちゃうの!!残念!雪渓まで送る。ありがとうございました! またお会いしましょう! 
◇作業は、小屋までの間に梯子を二箇所設置、草刈・登山道の足場ならし・ロープ点検をしながら帰る。 
◇お客様は、阿曽原から一人、なんと!阿曽原を朝3:00に出発⇒到着されたのは、13:00頃、エエエエーーーーッ!と、言うことは、10時間!!       お・つ・か・れ・様でした。 

平成25年8月30日(金) 雨時々曇り、気温・朝:19℃ 昼:20℃ 
お客様が出発、仙人池ヒュッテ・池の平小屋へ泊まり、帰りにまた立寄るとのこと!  
なんと!6:00出発の予定が9:00頃出発されました。フウウウ~~~ンッ!!!行ってらっしゃい!! お帰りをお待ちしております。 
今日は、終日雨が降ったり、止んだりだったので、温泉三昧で、ゆっくりと、静養日!
★アッ!湯船の清掃をしたんだっけ!!たまには、こんな日もいいねぇーーーッ!! 
◇お客様:無し

平成25年8月31日(土) 曇り、気温・朝:18℃ 昼:21℃ 
◇作業:Tさんは、トイレの壁改修工事 ・・・・・・  ご苦労様!!★壁改修工事完了!!! お見事ッ!!     
小生は、仙人谷方面の登山道整備、古いロープの点検・支点の変更、足場のステップ切りetc. 
◇その他:湯温・水温測定    
◇お客様:無し

【豆知識】
山小屋の気温は、東京・下界と比較して「概ね10℃低い!」一般的に1000m標高が高くなると6℃温度が下がると言われます。
登山するお客様は、ウェアー・装備計画の際、参考にして下さい。
【湯温・水温等のデータ】測定日:h25.8.31 気温:21℃天候:曇り
<露天風呂>★『掛け流し』
湯温:65℃   湯量:25L/m
水温: 9℃   水量:50L/m
<源泉(湯温)>
取水口:78℃
噴出口:95℃  アッチチチッ!
<温泉の泉質等>
◇泉質:単純硫黄泉
◇効能:『恋の病に効く』
 ★「恋」の病の方は、2日・それで駄目なら10日、1ケ月も仙人谷に抱かれていれば、完治間違いなし!
 「そんなに居れないわ、あたし」


平成25年9月1日(日) 雨、気温・朝:18℃ 
◇作業:雨のため「女性風呂看板」「道標看板」作り 
◇仙人が下界から戻る(「マコカレイ」など、お土産どっさり!) ゴッツアン!   
ヤッパ!仙人が小屋に戻ると愉快・楽しい・パッと明るくなる。

【看板 その1】名前は、「女湯」・「女風呂」にする?
女湯では、ちょっと艶かしいんじゃない!
と、言うことで、「女性風呂」に落着きました。
おまけに、「美人の湯」も追記
【看板 その2】 道標看板
【美人の湯全景】
★看板作成のくだり(詳細)はホームページのブログを参照して下さい
 <ブログのタイトル>「?エッ?エエーーーッ??」


平成25年9月2日(月) 雨、気温・朝:17℃ 
◇作業:Tさん、「本棚」作り、なかなかリッパな本棚だ!ズバリッ! お上手!!   
★仙人温泉小屋に「文化の薫り」が漂ってきたゾッ!ちなみに「エロ本」はありません! 
◇今日は、ヘリフライトの予定日だが、雨のため飛ばず!荷揚げ延期!ビールは未だあるから、まッ!いいかッ!! 
◇お客様:無し

平成25年9月3日(火) 晴れ、気温・朝:17℃ 
◇「Tさん」下山!大変ごくろうさまでした。次は「小屋閉め」でお会いしましょう! 
◇作業:温泉架設の際のワイヤールートの開拓
★根曲がり竹のジャングル、切っても・切っても根曲がり竹、滑る・スベル、やっとのことで、沢まで切り拓けた。 
◇季節感:イナゴ発見・ススキの穂観測する。 
◇お客様:無し

秋の気配   その1:ススキの穂 秋の気配   その2:赤い実(なんだろう?)
秋の気配  その3:リンドウ
     既に蕾をつけている 株もある。 仙人の「お気に入り」


平成25年9月4日(水) 晴れ、気温・朝:16℃ 昼:23℃ 
◇作業:対岸の温泉架設の際のワイヤールートの開拓      
◇ヘリコプターフライト、10:20轟音とともにヘリがやって来た。「荷揚げ」成功!ヤッターーーッ!! 
★なんと!ビールと酒、だけッ??  あッ!ちょっと食料も有った。 
14:45  仙人が『イヌワシだッ! イヌワシが飛んでるぅーーーッ!』       
 『何処?どこ?どこォーーーッ??』       
 『上・うえ・真上!!』居たッ・いたッ、上空を悠然と2羽が旋回していた。下を飛んでいる「アマツバメ」が胡麻粒のようだった。大きく旋回して、仙人谷の上部方面へ飛び去った。
◇「イヌワシ」が飛んだ後、天気は急に崩れ、ガスが掛かった。ヘリフライトは、ほんの僅かな間隙の晴れ間を狙ったフライトだった。!!ラッキーーーッ!!
◇お客様:無し

山小屋では、こんな出来事・季節の変化などの一つひとつに、喜び・感激し・感動している。


 『山小屋生活考』
  
 この2、3日、お客様はダァ〜〜レも無し、通過する登山者も皆無!!! だぁ〜〜〜れも居ない仙人谷!!となった。
 そこで、山小屋での生活の一番大切なのは、なんなのか? 考えた!
  山小屋では 「孤独に耐える精神力」が必要だ!
 当然!安全・健康、お客様をお迎えする数々のスキル、料理からトーク・・・・・・・・・はたまた経営・建設・設備全て、1国・一企業の運営の
縮小版そのもの、しかし、これが出来たら山小屋の「主」が務まるかと言うと、とんでもない!
  『誰ぁ〜〜れも居ない中で1週間・十日過せる』自己コントロールを可能にする精神力が必須条件だ!!

 ヨォーーーシ イクゾォーーッ!(吉 幾三)
 ♪♪ハアアアア〜〜〜ッ!おらが小屋には「スマホ」もネェッ!「ケータイ」なんて繋がらネェッ!!・・・・・・・・・・・♪♪  とは、良く言ったもんだ!              
 まして、テレビ・新聞・等メディアからの情報とは遮断された世界、情報と言えば、携帯ラジオ、歩荷(ボッカ)が運ぶ新聞・週間誌程度、その中で、一人で過ごすには、「心遊び」「自分の楽しみ」が見出せる人ではなくては出来ない!
 その点、仙人は“凄い” 良くぞ、約4ケ月の間一人で頑張れるものだ!その精神力に拍手を贈りたい!!
  (ちなみに、テレビだけは、2年前から設置されました。)

<雑 感>
 ★ 世の「ケータイ」「スマホ」等をしきりにイジッテいて、隣にいる友人・親子と、会話しないで、端末とニラメッコしている「●●依存症」のあなた!そうッ!あなたのことですよ!
    仙人温泉小屋で、「自分」を見直してみては、如何??
    仙人谷の大きな懐に抱かれて「情報が何も無い」「自然そのもの」の生活もいいものですよ!!


平成25年9月5日(木) 雨のち曇り 
★昨夜激しい雨 気温・朝:18℃ ◇雨のため、終日温泉三昧

<山小屋のシンフォニー>  
 朝、2時か3時頃、気付くとドシャブリの雨!     ・・・・・雨かッ! しかし、その雨音にリズムがある、メロディがある。
  沢の音・屋根打つ雨音をバックに  ♪♪ザザザァーーーーッ!シャワシャワシャワシャワ♪♪
  風の音も加わり  ♪♪ビューーーッ ヒュウウウウーーーッ ヒュルルルゥーーーッ♪♪
  屋根から伝い落ちる雨が、ドラム缶をたたく!   ♪♪ドン ドドドドン ドンドンドン ドコドコドン・・・・・♪♪
  さながら、雨のオーケストラ!!
  それらの音がミックスして、不規則に、ファジーの世界・カオスの世界を創り上げている。
  あ〜〜あッ!今日も「雨かッ!」
      いつの間にかZZZ zzzzzzz!!  スゥスゥ・・・・・スゥ!


平成25年9月6日(金) 晴れ、気温・朝:18℃(ストーブを焚いている室温)  
小生が下山の日  仙人が、朝早くからストーブを焚き、朝食を用意してくれた。ありがとう御座います。また、「10月 小屋閉め」でお会いしましょう。  
下山途中に、針葉樹林帯の木の根が張って足場が悪く、安定性がないところにロープを張ってから下山した。 
★8:25分仙人谷ダムで、上空を見上げると「イヌワシ」が「下の廊下」方面(黒部ダム方面)から飛んで来て、小黒部谷方面へ飛んで行った。両翼にハッキリと、白い斑点が確認出来た。!!
「オオーーーーイッ!  また会おうねぇーーーーーーーーッ!!」  
秋、まじかまの山容と、雲切谷の滝・碧い空・そこを翔ぶイヌワシ、が小生の帰りを送ってくれた。
今回の小屋番もドラマが多かった!!

Copyright(c)Sennin-OnsengoyaAllrightReserved.

戻る